TOP ROPE IS BEST

楽しいロッククライミングと賢くて安全なトップロープ・システム
 ITOO KISYA 


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 まず、ロッククライミングは面白いよ
  
 ロッククライミングは岩を登るスポーツです。駅の階段なら、だれでも登れます。
じゃ、ハシゴは? 普通の人なら、これも手と足を使ってカンタンに登れるでしょう
。
山や海にいくと、岩場によくでくわします。ハイキング道のとなりに大きな
岩の塊やら、岩壁などがあるのを見たことがあるでしょ。北アルプスなど、大きな山
脈にいくと、岩ばかりの山があったりして、これは全山が岩場なのです。海辺にも断
崖があり、これも岩壁ですね。

 これらの岩場を、梯子を登る要領で、岩の凸凹を利用してよじ登れば、それが岩登
りです。これは引力に逆らって体を上へ上へと持ち上げることですから、運動であり
、スポーツであり、体にもよい、ということになります。と同時に、登る力より引力
がまされば、落ちる。転落です。これは、こわい。運動する快楽と落ちることへのス
リル感がまざって、岩登りは、かなり、面白いスポーツとなるのです。

 必要な用具といえば靴くらい。専用の靴を履くと登りやすいのでさまざまなメーカ
ーから何種類もの専用靴がでています。

 山や海へ行かなくても、近所の石垣でもできるのでは、と考える人、鋭いですね。
そのとおりで、近所の石垣を登っても岩登りには違いないですから、近所の人の目さ
え気にしなければ、楽しめます。

 最近は、近所の目も厳しいようですから、そのあたりの事も考えて、ここ数年、流
行っているのが、人工壁でのクライミングです。これは建物の外壁や、室内の壁にコ
ンクリートの塊をいくつもボルトに止めたもので、これを足掛り、手がかりとして、
岩登りする。壁の角度も7.80度から垂直、さらに100度、120度と選り取りみど
りになっているところが多い。遠くの山まで行かなくても、また、雨の日でも、この
施設にいけばクライミングが楽しめるということで人気上昇中です。

 木登りは子供時代には楽しい遊びでしたが、岩登りはいまや、山や海や町で、老若
男女が楽しめるスポーツになっています。

 
 
クライミングは怖いのでは?
いいえ、トップロープシステムでやればぜーんぜーん。

 登るのは楽しそうだけれど、落ちる事を考えるととても出来そうもない、という人
もいます。当然です。が、落ちても怪我しないためにロープというものがあるのです
。

 井戸のツルベのような仕掛けをつくります。岩場の頭に滑車をのようなものをくく
りつけロープを通します。ロープの片方を自分の安全ベルトに固定し、片方は別な人
に確保してもらうのです。専用の確保器がありますから。こうすれば、たとえ登って
いる最中に足をすべらせて、落ちても、大丈夫。落ちたとき、もう一人のひとがしっ

かり確保すれば、ぶらーんとぶら下がるだけ。一人が登り、もう一人が確保するとい
うわけで、この場合、二人がひと組になるわけです。

 落ちても大丈夫なら、思う存分登りに専念できるわけで、より難しい岩壁に登ろう
とする人が絶えません。技術が上がるとますます面白くなる、というわけで、岩登り
にのめり込む人が増えるということになるようです。

 さきほどのツルベですが、この安心なクライミングのシステムはトップロープでの
クライミングと呼ばれています。クライミングにおけるこの偉大な発明は意外にもそ
んなに古いことではありません。クライミングはもともと下からピークを目ざすこと
を第一義として発展してきましたので、このような逆転の発想と方法が考えられたの
はごく最近のことなのです。
このシステムで思いっきりスポーツとしての岩登りを楽しんでください。

 このツルベのシステムは安全にクライミングを楽しむという点でたいへん優れた方
法ですが、自然の岩場にいけば、そんなシステムが備えられているのだろうか、多く
の方が疑問に思うことでしょう。残念ながら自然の岩場にはそのようなサービスはあ
りません(人工壁にはこのサービスあり)。
 岩登りを楽しもうという仲間と岩場にいったら、だれかが、岩場の裏や横から安全
な道を探して登り、立ち木などを利用して滑車にかわる専用の器具を用いてツルベの
支点をつくり、ロープを架けてこなければならないのです。

 質問が聞こえてきます。岩場の裏や横から安全な道をのぼる、というけれど、そん
な道がなかったら、どうするのか。

 お答えします。その場合は、だれかが、こわい思いをしながら、目の前の安全とは
いえない岩場を登るのです。これはたいへんですが、また面白いことでもあります。
この場合も、トップロープとは違う方法ですが、安全確保の方法があり、落ちても怪
我しないように充分配慮してから、登るのです。落ちた場合、トップロープよりは墜
落距離がながくなります。この方法はリードクライミングといって、スリルがあって
、いくらか勇気も必要とするもう一つのスポーツクライミングのシステムです。
 リードクライミングはトップロープをかけるためだけに存在する方法ではなく、独
立したクライミングです。スリルを楽しむという別の要素を含んだクライミングとい
えるでしょう。

 いずれにせよ、トップロープでもリードクライミングでも、同じ岩を同じよう登る
ことができるわけで、その行為は本質的にイコールです。
 どちらかということになると人の好みですが、より安全なトップロープで岩登りを
楽しまれるほうが賢い方法といえるでしょう。
 



  

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