クライミングのススメ

ENJOY ROCK CLIMBING!


大岩あきこ OHIWA AKIKO
 
   フリークライミングの魅力といっても一言で言えないものがあります。特
    に今まで一度も経験のない人に分かってもらうのは大変だと思います。フ
   リークライミングは見ているより実際に自分でやってみて初めてその楽し
   さが分かるスポーツだからです。

 私がフリークライミングというスポーツをやるようになったのは24
    歳のときです。でも小さいころから“おてんば”だった私は赤ちゃんのと
    きにはベッドの柵を乗り越えて畳の上におっこちたり、物心つくころには
   塀をよじ登ったり裏庭の樹から屋根に上がったり、高いところから飛び降
    りたりする遊びが大好きでした。
   
   たぶんこのスポーツを見て「おもそろそうだな」と思った人はきっと小
   さいころにそういう遊びが好きだった人ではないでしょうか。クライミ
   ングって人が本来もっている本能かも知れないですよね。赤ちゃんでも
   高いところに這い上がろうするでしょう?
   
    じっさい、子供達にクライミングをさせてみると、とてもじょうずに
    登っていきます。しかし、大人はいざ壁に取り付くと、どうしていい
    かが分からず考えている間に疲れて落ちてしまいます。でも下から「
    次は右のホールド(手掛かり)、足は左側に開いて」などとアドバイ
    スをしてあげると、ちぁんと登って行けるのです。ただ単に体の動か
    し方を忘れてしまっているだけで、できない訳ではないのです。もち
    ろん中には忍者の子孫のように初めてでもかなりのレベルのルート(
    課題)をスイスイ登ってしまう人もいます。こんな人はきっと子供の
    ころの体験を忘れてないんでしょうね。体が自然に楽な体勢をとれる
    のだと思います。

 クライミングは上手に登れるとうれしいし、登れないと悔しい、この
    繰り返しで少しずつレベルが上がって上達していきます。始めは上手く登
   れなくてもやっているうちにだんだん体がスムーズに動くようになり余裕
    もでてきて、こんどはこうやってみようとか、こうやってみたらどうだろ
   う、などと頭で考えられるようになってきます。ここまできて初めて本当
   のクライミングの楽しさが分かってくるのです。


 最近は人工壁のクライミングジムが増えて手軽にクライミングが楽し
    めるようになってきました。自然の岩場へ行くより楽だし安全だから。と
    いうのが人気の理由のようです。初めてクライミングを体験する人にとっ
    ても行きやすいし少ない費用でレッスンが受けられるのも魅力です。


     壁には色別にシールが貼ってあり自分のレベルのルートを選べる
     ようになっています。自然の岩場では自分で使うホールドを探し
     ながら登るのに対し、ジムの壁ではシールを追って行けばいいの
     ですから、初めての人でも迷わずにできて意外と登れてしまいま
     す。
 
     トップロープというスタイルは上からのロープで守られていますので
     気持のうえでもリラックスして練習できる方法です。はじめにロープ
     にぶら下がる時は、だれでも怖がりますが、安全性と信頼性(パート
     ナーへの)が実感できれば慣れるのに時間はかからないでしょう。高
     いところは苦手という人でもきっと楽しめるようになれます。ドキド
     キするような緊張感と冒険心、子供のころの思いをもう一回味わって
     みませんか?
 

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