伊藤忠男
PEMBA SHERPA FLASHED! "GREEN ADJECTIVE"
1996年の4月、ソフトウェア−・ハウスのWORK・SHOPに参加した帰路ソル トレ−クシチ−に滞在する友人を訪ね、すぐ近くのClimbing誌やHighE xposureでよく目にするリトルコットンウッドキャニオンで、クラッシックだ がすばらしい感触のクラックに手を付けた。 ブラックダイヤモンドの本社に行けば分厚いトポが手に入るし、ル−トはプリ・ボル トも含めて着々と増え続けていて、uodate版が貧相な装丁ながら数冊出ている 。リトルコットンウッドは小川山と似たハイフリクションの花崗岩だが、一本北にやは り東西に分け入るビッグコットンウッドキャニオンは石灰岩とチャ−ト系で、今日的 なハ−ドなル−トがひしめいている。どの壁も車を降りて数分からせいぜい30分の アプロ−チで壁は1ピッチのものから5ピッチ程度のものまである。4月は一年のう ちでもっともウェットとトポに書かれてある通り、雪ばかり降っていたが、陽が射す と南に面した壁はみるみる乾く。2日間だらだらやって7本のル−トを登った。低グ レ−ドでがっかりするひとも多いかもしれないが、内容とそれは別のように考えさせ られる印象的なル−トを紹介したい。 4/20 GateButtress/グリ−ン・アドジェクティブ 5.10− フェ−スに走る美しいフィンガ−クラック。スタ−トから5mはピトンスカ−で、ち ょっと恐い。この部分はトポにはボルトがあるが、実際はない。多分抜いちゃったん だろうと思う。クラックの両側は上部に溜まった雪が溶け落ちるせいで濡れている。 ビレイテラスは雪が30cm積もっているが狭いので、緊張する。5m上がって、ロ ックスの#3をセット。サイズはフィンガ−だが良く見るとスタンスが結構あって、 なるほど見た目ほど難しくはない。最上部の数メ−トルはシンハンドに広がってテラ ス。 4/20 CrescentCrackButtress/ザ・コフィン 5.9 高い位置にあって高度感抜群の、非常に美しいフェ−スクラック。トポにはNotT oBeMissedとコメントされているほどだ。スタ−トは5.8だがとっても恐 いランナウトトラバ−ス。足もスリッピ−で緊張する。クラックに入って、フレンズ #1をセット。クラックは全体に弓なりにカ−ブしていている。核心は中間部で、や や決めずらいオフフィンガ−だが、クラック自体が左右ややオフセットしているので 縁に手をかけやすく、助かる。高度感がすごくてうれしくなってきた。ル−フに押さ えられて終了。 4/21 GateButtress/グリッド・アイアン・ウオ−ル 5.8+ 有名な低グレ−ド3つ星ル−ト”スク−ル・ル−ム”の取り付き下部にできたプリ・ ボルトの新しいル−ト。5.8+とはとても信じられない。まず被り気味のクラック にフレンズを決めて、上のダイクにマントルで立ち込むがこのム−ブは5.10b。 多分リ−チだと思う。上のダイクに一発で届けば、随分違う印象になるだろう。そこ から50mフルにある真っ白なスラブを紆余曲折していくが、ボルトは5本で、いち いちランナウトする。ライン取りは巧妙でうかつに行くと5.10cのム−ブにもな ってしまう。ボルト間をいったり来たり繰り返しているうちにアドレナリンが増えて きたのか、いい気分になって下降点のあるテラスに達した。